完全版2020年公開のおすすめ映画ベスト6
2020年は、たくさんの映画館の閉館や映画祭の中止が見られましたが、それでもなかなか良い作品が登場しました。こういった良作を見逃さないよう、2020年が当たり年だったと分かる作品を一挙ご紹介しましょう。
鵞鳥湖(がちょうこ)の夜
このネオ・ノワールの中国映画は、ヤクザのチョウ・ザーノンが仕事に失敗後、別れた妻と再会するために売春婦と手を組む姿を描いています。
ロマンティックな運命と危険をさらに増幅させる強い輝きを放つこの作品は、スリラー映画が好きな方なら最初から最後まで楽しめます。
もう終わりにしよう。
同名の小説を映画化したチャーリー・カウフマン監督が、再び死と悲しみの深淵に迫った作品。
ジェイクとその恋人は、ジェイクの両親を訪ねる旅に出ました。二人が両親のもとにたどり着くと、まるでウサギの穴に落ちるように物語は混乱し、後悔、憧れ、悲しみの渦に巻き込まれていきます。そして最後には、思いがけない結末が待ち受けているのでした…。
ブラッディ・ノーズ、エンプティ・ポケッツ
監督ビル・ロスとターナー・ロスの2人は、ドキュメンタリーとフィクションをミックスしたこのユニークな作品で、ラスベガス郊外の場末のバーの最後の夜を描いています。忠実な常連客たちが、最後に酒に酔う楽しさと罪深さを味わおうとバーにやって来ます。
それだけではなく、今までに見たこともないようなどんでん返しも用意されているのでお見逃しなく。この作品ではまた、状況に合わせて優雅に揺れる美しい映像も楽しめます。
ノマドランド
一見、夫と家を失った中年女性がアメリカの平原を旅する冒険もののように思えますが、この作品の中核にはもっと深い物語が存在しています。
喪失感、悲しみ、驚き、サバイバル、障害、発見など、誰もが共感できるテーマが散りばめられています。
ミナリ
登場人物、そして彼らの苦悩に対する大きな思いやりを感じる、とても優しい作品。リー・アイザック・チョンが監督・脚本を務めています。
1980年代のアーカンソーで農場を始め、人生を切り開こうとする韓国人の夫であり父親(スティーヴン・ユン)の苦境が描かれます。彼のアメリカンドリームは妻であるモニカを悩ませ、娘と息子にも困難をもたらします。
独特のストーリーテリングによって、コミュニティと疎外感、都会と田舎、宗教と自決というコントラストが浮かび上がってきます。
スパイの妻
第二次世界大戦中のスパイドラマ。黒沢清監督が2020年度ベネチア国際映画祭で最優秀監督賞を受賞した作品なので、大いに期待でき、また期待に応えてくれる作品に仕上がっています。
物語は裕福な絹商人とその妻を中心に進んでいきます。彼らは日本占領下の満州を訪れた時、暗い秘密を発見します。彼らは陰謀と嘘の網に絡め取られていき、すぐ近くには憲兵隊の警官の姿があります。
黒澤監督はこの作品によって、当時の日本のファシズムと軍国主義における危険性を警告しています。